新酒祭り

 2つの新酒祭りに出かけた。一つは3月8日の新酒祭りである。その日は伯父の49日の法要のために川尻に行ったのである。ちょうどその日は川尻月間の最終日で地酒メーカーの「瑞鷹」の新酒祭りが催されていたのである。そこで法要が済んでから出かけてみた。加勢川沿いの土手は遊歩道になっていた。酒蔵には多くの人が集っていた。いくつかのブランドの中から1杯だけは無料で振る舞われていた。私は原酒生搾りを希望した。これは本当に原酒生搾りでわずかに濁っていた。誰か同級生にでも会うのではと、思っていたがあうことは中ってので、また遊歩道を散歩しながら帰った。小学生の時は通学路であった道である。その当時はもっと遠かったような気がしたが、案外近く感じた。これはよく感じることである。やはり小さかったからであろう。
 3月16日は阿蘇の高森のこれも地酒メーカーである「霊山」の新酒祭りに出かけた。鉄道を利用していくことにした。そこでインターネットで乗り継ぎ案内で時刻を調べてみた。その中でもっとも短時間でもっとも安価なルートをとることにした。自宅にもっとも近いJR駅「宗城大学前」まで歩いていった。歩けば結構な距離である。8時31分発の列車で熊本駅に行きそこから豊肥線に乗り換えて立野駅まで行き、そこから南阿蘇鉄道に乗り換えて長陽駅まで行った。地方では列車はほとんど使わない。首都圏や近畿圏であれば、電車(列車)を使わなければ生活が成り立たないだろう。しかし、熊本で電車と言えばそれは路面電車のことである。だから、列車に乗ると旅行をしている気分になる。長陽駅で友人を待った。彼は久木野に別荘を持っている。別荘と言っても豪華なものではない。クヌギ林の中に6畳ほどの山小屋とトイレとウッドデッキがある。最初はウッドデッキだけであった。このウッドデッキにテントやタープを張り、たき火をして酒を飲むのを楽しんでいた。4月のはじめにこれをしたとき朝方寒くてふるえたことがあった。そこでやはり小屋が必要だと言うことになって山小屋とトイレを作ったのである。山小屋の床と断熱材と壁は友人と二人張った。そして、その友人の山小屋と私のヨットや他の友人のボートを含めてパーソナル福利厚生施設相互利用協定を結んで利用しあっている。長陽駅まで来るまで迎えに来てもらって、山小屋へ向かった。この季節は阿蘇では野焼きのシーズンである。野焼きの煙が見えた。友人の奥さんに、新酒祭りの場所まで送ってもらった。この一帯では名水が方々で湧いている。もう一人の友人がそれを汲みたいと言ったのでそれを汲んで会場に向かった。すでに始まっていた。春を迎えた根子岳高岳がきれいに見えた。天気が良くて楽しい小旅行の1日となった。